85J1(はちじゅうごジェイワン、ジェイワン)とは、当時の川崎航空機が1964年(昭和39年)から販売していた、85 cc2ストロークエンジンを搭載した小型自動二輪車である。 なお、川崎重工業統合以前の製品ではあるが、便宜上、本記事では川崎重工業、あるいは現行制度下での川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーの製品と解釈する。

概要

発売当時、高性能を謳う車種を持たなかったカワサキが1960年代の最新技術であったロータリーディスクバルブ吸入方式を採用し、技術力の高さを広める目的で開発された車両。82 ccという排気量でありながら他車のフルサイズ90 ccエンジンに見劣りしない7.5 ps/6,800 rpmを発揮し、最高時速は90 kmに達した。デビュー前のモトクロスレースにおいてもブリヂストンやスズキを相手に上位を独占するなど、性能の高さを遺憾なく発揮し、カワサキ車として初めてのバックオーダーをかかえるほどの人気を博した。本車両の販売面での成功によりロータリーディスクバルブの技術に自信を得たカワサキは、本車両を基に各種派生車種を開発し、B1やC1、D1、G1といった車種が販売された。

モデル一覧

  • J1T
ツーリング用途にアップタイプマフラーを装着した仕様。
  • J1L
分離給油ポンプを搭載した仕様。
  • J1TL
J1Tに分離給油ポンプを搭載した仕様
  • J1TR
スクランブラースタイルを採用した仕様。リヤホイールにドリブンスプロケットが2つ付いており、状況に応じてファイナルレシオを変更することが可能だった。
  • J1TRL
J1TRに分離給油ポンプを搭載した仕様。出力が8.2 psに増強されていた。
  • J1D
セルダイナモを搭載した仕様。

沿革

  • 1964年(昭和39年)10月 - モーターショーに出品される。
  • 1964年(昭和39年)11月 - 販売開始。
  • 1965年(昭和40年)3月 - 月産2,000台を達成。
  • 1965年(昭和40年)6月 - J1T、J1L、J1TLを生産開始。
  • 1965年(昭和40年)10月 - J1T、J1L、J1TLに加え、J1TRをモーターショーにて公開。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 小関和夫『カワサキモーターサイクルズストーリー』三樹書房、2011年9月10日、82-88頁。ISBN 978-4-89522-576-2。 

関連項目

  • カワサキ・B1
  • カワサキ・C1
  • カワサキ・D1
  • カワサキ・G1

外部リンク

  • Kawasaki Global Site
  • ブライト
  • 船山理 (2018年12月13日). “<バイク界の逸話>その昔、富士山の頂上までバイクで登れた!”. Webオートバイ. モーターマガジン社. 2021年9月24日閲覧。

Kawasaki Z1 川崎バイク, スポーツバイク, バイク

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