ジョセフ・レナード・モーガン(Joseph Leonard Morgan, 1943年9月19日 - 2020年10月11日)は、アメリカ合衆国テキサス州ファニン群出身のプロ野球選手(内野手)。右投左打。
ビッグレッドマシン(Big Red Machine)と呼ばれたシンシナティ・レッズの名二塁手で、アメリカ野球殿堂入りしている。後にESPNとESPN Radioの解説者を務めた。
経歴
1962年にヒューストン・コルト45's(1965年よりヒューストン・アストロズと改称)と契約。
1963年9月21日にメジャーデビューを果たす。
当初はスイングに欠点があったが、チームメイトの先輩で殿堂入りの名二塁手ネリー・フォックスのアドバイスを受けてフォームを改造。球団名が現在と同じ「アストロズ」となり、世界初のドーム球場・アストロドームに本拠地を移転した1965年にはレギュラーに定着。故障のため10試合の出場に終わった1968年を除いて二塁手として活躍。
1972年、シンシナティ・レッズに移籍。当時レッズは名監督スパーキー・アンダーソンの下、ピート・ローズ、ジョニー・ベンチ、トニー・ペレス、デーブ・コンセプシオンといった生え抜きの選手や、トレードで獲得した若手ジョージ・フォスターらがリーグを代表するスター選手に成長し、「ビッグレッドマシン」と呼ばれ、敵チームから恐れられる存在であった。移籍初年度の1972年にはオールスターでMVPを獲得。
1975年にはリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズ進出。このシリーズでは第3戦でサヨナラ安打、第7戦では同点の9回に決勝の適時打を打ち、チームをワールドチャンピオンに導いた。この年は打率.327、17本塁打、94打点、67盗塁の活躍でナ・リーグMVPに選ばれた。
1976年もチームは2年連続でワールドシリーズを制し、自身も打率.320、27本塁打、111打点、60盗塁の活躍で2年連続MVPに選ばれた。守備力にも優れ、1973年から1977年にかけて、5年連続でゴールドグラブ賞を受賞している。選球眼も非常に良く、全盛期にはほぼ毎年100以上の四球を選び、通算1865四死球に対して三振は1015であった。本塁打は最多でも27(1976年)で、通算268あったが、二塁打(通算449)、三塁打(通算96)が多く、通算打率.271に比して出塁率は.392、長打率は.427もあった。
1978年にはレッズが単独チームとして来日するが、モーガンは来日しなかった。この来日では各地で強さを見せつけたレッズだったが、帰国後、アンダーソン監督が突如解任され、「ビッグレッドマシン」の崩壊が始まった。1979年には地区優勝を果たすものの、その後、ローズをはじめ多くの主力選手が移籍し、モーガンもこの年限りでチームを離れ、1980年にアストロズに復帰する。この年アストロズは地区優勝を果たすが、プレイオフでローズの居るフィラデルフィア・フィリーズに敗れ、ワールドシリーズ進出を逃す。
1981年にサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。
1983年はフィリーズへ移籍。ここでかつてのチームメイトであるローズ、ペレスとともにリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズ出場を果たすが、ボルチモア・オリオールズに敗れる。
1984年はオークランド・アスレチックスでプレーし、この年限りで現役を引退した。
引退後は解説者を務める。資格初年度の1990年に81.8%の得票でアメリカ野球殿堂入りを果たした。もっとも活躍したレッズ在籍時の背番号「8」は、レッズの永久欠番に指定されている。
晩年は多発性神経障害に侵され闘病生活を送った。2020年10月11日、カリフォルニア州ダンビルの自宅で30年間連れ添ったテレサ夫人を含む家族に看取られて死去。77歳没。
詳細情報
年度別打撃成績
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
- 内野守備
- 外野守備
- 各年度の太字はリーグ最高
- 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞
表彰
- シーズンMVP:2回(1975年、1976年)
- シルバースラッガー賞(二塁手部門):1回(1982年)
- ゴールドグラブ賞(二塁手部門):5回(1973年 - 1977年)
- カムバック賞:1回(1982年)
- MLBオールスターゲームMVP:1回(1972年)
- 野球殿堂入り(1990年)
記録
- MLBオールスターゲーム選出:10回(1966年、1970年、1972年 - 1979年)
背番号
- 12(1963年)
- 35(1964年)
- 18(1965年 - 1971年)
- 8(1972年 - 1984年)※シンシナティ・レッズの永久欠番
脚注
注釈
出典
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 M
外部リンク
- Baseballhalloffame.org(英語)– アメリカ野球殿堂(National Baseball Hall of Fame)による紹介
- 選手の通算成績と情報 ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)




