中央線(チュンアンせん)は、大韓民国ソウル特別市東大門区にある清凉里駅から慶尚北道慶州市にある牟梁駅を結ぶ韓国鉄道公社(KORAIL)の鉄道路線である。国土交通部『鉄道距離表』における正式路線名は中央本線

起点の清凉里駅から砥平駅までは広域電鉄である首都圏電鉄京義・中央線の一部となっている。また、列車は終点の牟梁駅から東海線に直通し慶州駅まで運行されている。


路線データ

  • 路線距離:323.0km(ただし清凉里駅 - 回基駅間1.4kmは京元線と重複)
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:47(起終点駅、信号場・信号所・仮乗降場を含む)
  • 複々線区間:上鳳駅 - 忘憂駅
  • 複線区間:清凉里駅 - 上鳳駅、忘憂駅 - 牟梁駅
  • 電化区間:全線(交流25,000V)

路線概要

中央線は、日本により第二次世界大戦中に京城と慶州を結ぶ京釜線に次ぐ朝鮮半島縦貫線として建設され、当初は京慶線(キョンキョンせん、경경선)と呼ばれた。沿線に大規模な都市はないものの、海岸からあまり遠くなく、海上からの砲撃に晒される危険があった京釜線(特に水原駅から天安駅までの区間)に代わる戦争物資輸送鉄道の性格が強かった。そのため、京城から東に出て山岳地帯を抜ける路線として計画が進められた。

独立後は太白山脈から産出される無煙炭輸送を目的とする「産業線」と位置付けられ、1973年に韓国で初めて清凉里駅 - 堤川駅間が太白線・嶺東線と共に電化され、1988年に栄州まで電化区間が延長した。1980年よりこの電化区間を利用して、韓国で初めての電車特急9900系が『ムグンファ号』として運転を開始した。この電車は19年間にわたり中央線・太白線・嶺東線を経由して清凉里駅と東海駅を結んできたが、1999年6月のダイヤ改正でトンイル号に格下げされて運転区間も短縮、2001年3月に廃止された。清凉里始発の機関車牽引によるセマウル号が安東まで2往復、太白線直通が1往復運行されてきたが、2008年1月1日のダイヤ改正でいずれも廃止された。

清凉里 - 西原州間は、ソウル - 江陵・東海間を結ぶ江陵線KTXの一部に含まれている。

安東 - 慶州間は、定期旅客列車はムグンファ号のみの運転で、慶州から先は東海線釜田まで直通運転する。この他、大邱線を経由して東大邱駅まで向かう列車もある。

2005年12月、広域電鉄として清凉里駅 - 徳沼駅間の路線改良と複線化が完了し、京元線と直通する形で龍山駅までの運行が開始された。電車区間は2007年12月27日に八堂駅、2008年12月29日に菊秀駅、2009年12月23日に龍門駅、2017年1月21日に砥平駅までそれぞれ延伸開業し、2014年12月27日には龍山線を介して京義線汶山駅までの直通運転が開始された。

また、西原州駅までの複線化と路線改良が2012年9月25日に完成し、セマウル号で11分の時間短縮がされた。さらに、2021年1月5日には西原州駅 - 鳳陽駅間の複線化および安東駅以北の電化が行われた。また、安東駅以南も大規模な路線改良が計画され、特に終点側は接続する東海線とともに新慶州駅へ接続するようになった。

歴史

  • 1918年
    • 11月1日:朝鮮中央鉄道(後の朝鮮鉄道)慶東線の一部として永川 - 西岳間が開業。
    • 12月28日:慶東線が慶州駅まで延伸。
  • 1928年7月1日:慶東線を朝鮮総督府が買収、路線名を東海中部線に変更。
  • 1938年12月1日:東海中部線永川 - 慶州間が京慶南部線に編入。京慶南部線友保 - 永川間が標準軌で開業。
  • 1939年
    • 4月1日:京慶北部線東京城 - 楊平間が開業。
    • 6月1日:永川 - 慶州間が改軌。西岳駅を栗洞駅に、光明駅を毛良駅に改称。
  • 1940年3月1日:京慶南部線慶北安東駅 - 友保駅間が開業。
  • 1940年4月1日:京慶北部線楊平駅 - 原州駅間が開業。
  • 1941年7月1日:京慶北部線原州駅 - 堤川駅間と京慶南部線栄州駅 - 慶北安東駅間が開業。
  • 1942年
    • 4月1日:堤川 - 慶北安東が開業し京慶線全区間開通。北部線と南部線を京慶線に統合。
  • 6月1日:東京城駅を清凉里駅に改称。
  • 1944年6月15日:栗洞駅が廃止。
  • 1945年10月1日:路線名称を中央線に変更。
  • 1949年7月:慶北安東駅を安東駅に改称。
  • 1973年6月20日:清凉里 - 堤川間を電化、電気機関車の運行を開始。
  • 1985年
    • 5月1日:忠州ダム建設に伴い嶋潭 - 竹嶺間でルート変更。
    • 7月13日:西慶州信号所開業。
  • 1987年12月:堤川 - 丹城間を電化。
  • 1988年12月:丹城 - 栄州間を電化。
  • 1992年11月1日:金丈 - 慶州間を移設、西慶州信号所廃止。
  • 2005年12月16日:清凉里 - 徳沼間を複線化し首都圏電鉄中央線が開業。
  • 2007年12月27日:広域電鉄運行区間を八堂駅まで延長。
  • 2008年12月29日:広域電鉄運行区間を菊秀駅まで延長。旧線区間内にある陵内信号場を廃止。
  • 2009年
    • 1月1日:金丈駅を西慶州駅へ改称。
    • 12月23日:広域電鉄運行区間を龍門駅まで延伸開業。
  • 2010年12月21日:上鳳駅・梧浜駅が開業。上鳳 - 忘憂間を複々線化(京春線の線路を増設)。
  • 2012年9月25日:龍門 - 西原州間が新線に切り替え。艮峴駅が廃止。
  • 2013年
    • 3月28日:栄州ダム建設に伴い、文殊 - 麻仕駅間を新線に切り替え。縄文駅、平恩駅廃止。
    • 11月20日:九屯駅を日新駅へ、判岱駅を三山駅へそれぞれ改称。
  • 2014年12月27日:龍山線の全線開業により、広域電鉄の直通区間を京義線汶山駅(現・文山駅)まで延長。同時に系統名を京義・中央線に改称。
  • 2015年6月 - 永川駅 - 新慶州駅間複線電化事業着工。総事業費は7,494億ウォン。
  • 2017年
    • 1月21日:広域電鉄運行区間を砥平駅まで延長。
    • 12月15日:KTXの運行に伴う線路容量の調整のため、清凉里 - 栄州間のITX-セマウルを運行休止。
    • 12月22日:京江線開業により、京江線KTX(現・江陵線KTX)の運行を開始。
  • 2018年3月23日:ITX-セマウルの運行を再開。
  • 2020年
    • 3月2日:嶺東線東海方面の一部の列車を除き、ヌリロ号に変更。
    • 9月23日:武陵 - 業洞信号場間が新線に切り替え。
    • 12月14日:丹陽 - 栄州間が新線に切り替え。
    • 12月17日:栄州 - 武陵間が新線に切り替え。
  • 2021年
    • 1月5日:西原州 - 鳳陽間が複線電化された新線に切り替え、これに伴い清凉里 - 安東間にKTXの運行開始。
    • 12月28日:永川 - 新慶州間開業、永川 - 慶州間廃止。
  • 2022年
    • 6月30日:丹陽 - 栄州間が複線化。
    • 7月28日:栄州 - 安東間が複線化。
  • 2023年
    • 2月6日:新慶州駅を慶州駅へ改称。
    • 11月22日:望湖信号場 - 義城駅間に下禾トンネルが開通、業洞信号場廃止。
    • 12月18日:東大邱 - 釜田間にてITX-マウム運行開始。
  • 2024年
    • 5月11日:望湖信号場廃止。
    • 12月20日:義城 - 北永川間が新線に切り替えられて全線複線電化完成、軍威駅開業。

駅一覧

清凉里 - 砥平間

  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過
  • 急行は首都圏電鉄の列車種別である。

砥平 - 牟梁間

  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過

廃止区間

特記されているものを除き、データは廃止時点のもの(累計キロは清凉里駅起点)。

2008年12月29日廃止区間

八堂駅 (22.9 km) - 陵内信号場 (28.7 km) - 両水駅 (34.0 km)

2013年3月28日廃止区間

文殊駅 (212.0 km) - 縄文駅 (214.5 km) - 平恩駅 (218.8 km) - 甕泉駅 (225.5 km) - 麻仕駅 (230.7 km)

2020年廃止区間

  • データは2020年11月11日の時点のもの。
  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過

2021年1月5日廃止区間

  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過

2021年12月28日廃止区間

  • 全線慶尚北道に所在。
  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過

2024年廃止区間

  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過

廃駅

廃止区間の駅を除く。

  • 東交駅:養源駅 - 九里駅間に所在。2005年12月15日廃止。
  • 艮峴駅:判垈駅(現・三山駅)- 桐華駅間に所在。2011年12月21日廃止。

使用車両

高速列車

  • KTX-イウム(150000形)

一般列車

電車

  • 200000系電車 - ヌリロと中部内陸循環列車 (O-Train)として運行。
  • 210000系電車 - ITX-セマウルとして運行。

客車

  • セマウル形客車
  • ムグンファ形客車

電気機関車

  • 8000形(貨物列車専用)
  • 8100形
  • 8200形
  • 8500形(貨物列車専用)

ディーゼル機関車

  • 7100形
  • 7200形
  • 7300形
  • 7400形
  • 7500形
  • 4400形

広域電鉄

  • 321000系(5000系から改番された車両)
  • 321000系
  • 361000系
  • 368000系(ITX-青春)

過去の使用車両

高速列車

  • KTX-山川(140000形)

一般列車

気動車(ディーゼル動車)
  • 101系セマウル形(DHC)
  • 111・251系セマウル形(DHC)

ディーゼル機関車

  • 7000形

広域電鉄

  • 1000系
  • 5000系(311000系に改番された車両)
  • 351000系(60番台)(一時的な貸し出しによる)

脚注

外部リンク

  • 産業線電鉄開通式(1973年)
  • 産業線電鉄(1978年)

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