ユーイング肉腫(ユーイングにくしゅ、英語: Ewing's sarcoma)は、小円形細胞の増殖によりなる悪性腫瘍のこと。

アメリカの病理学者、ジェームス・ユーイング (James Ewing) によって報告されたため、その名が付いている。t(11;22)(q24;q12)による融合遺伝子形成で特徴づけられる。

概要

好発年齢は10歳代で、骨盤および長管骨に好発する。人種別では白人に好発し、黒人では稀である。多くの症例で局所の疼痛、発熱、赤沈亢進が見られる。

病理組織像

病理組織像では小円形細胞がびまん性に増殖している。腫瘍細胞の細胞質はグリコーゲンが存在し、PAS染色陽性である。壊死が頻繁に見られる。腫瘍組織の約20%で偽ロゼット構造が観察される。大半の腫瘍細胞はCD99を発現する。ただし、他の軟部腫瘍でも一般的に発現するため、疾患特異的ではない。

診断

第22番染色体上のEWS遺伝子が関与した相互転座による融合遺伝子形成が特徴的であり、腫瘍組織の遺伝子解析が確定診断となる。最も頻繁な遺伝子異常は、11番染色体と22番染色体の相互転座t(11,22)(q24;q12)で、これによりFLI-1とEWS遺伝子が融合する。

経過

好発転移部位は肺、骨、骨髄である。

脚注

出典

関連項目

  • 骨肉腫
  • 悪性腫瘍
  • 腫瘍学
  • 癌の一覧
  • 君がくれた夏 〜がんばれば、幸せになれるよ〜 - 2007年の24時間テレビ(日本テレビ系)内で放送されたスペシャルドラマ。ユーイング肉腫を取り扱った。

外部リンク

  • 日本ユーイング肉腫研究グループ - JESS

Image骨のユーイング肉腫MSDマニュアル プロフェッショナル版

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【医師監修】20歳までに発症することが多い肉腫、「ユーイング肉腫」とは

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